「規範意識植えつけ」では解決しない

 教育長は今議会で、いじめの原因は人間関係の希薄化など様々な要因が複雑に絡み合っている、と答えました。これでは原因をとらえたことにはなりません。
 また、加害者側への毅然とした指導や対応を強調しました。
こういう「規範意識を身につけさせる」やり方ではいじめは絶対になくなりません。大津の中学校は、文科省「道徳教育実践研究事業」の指定校で、規範意識の授業が行われていました。

今年すでに3人子どもが自殺〜品川で何が…

 日本の子どもたちが過度の競争にさらされて異常なストレスを抱えている問題は、国連子どもの権利委員会から再三警告を受けています。全国学力テストをはじめとする競争と序列化、数値目標達成を至上とする子ども・教員を押さえつける管理主義など、新自由主義的な政策は、本来社会の病理から子どもを守るべき学校を、逆に抑圧の機関にしてしまっています。
 今年3人目のいじめによる自殺者を出した品川区は、小中一貫校を強力に推進しており、全区で隔週の土曜授業が今年度からスタート。平日の授業時数は、小1が文科省基準の6年生より多い学校もあります。自殺者を出した学校は5年生から中学生と同じような教科担任制になり、学級担任とのつながりの希薄化が指摘されていました。
ここに、いじめの温床があります。

中学校自由選択制見直し、30人学級実現を

 @中学校選択制を見直し、地域がはぐくむ中学校を再生する。
 A全国学力テストへの参加など競争と序列化をやめ、個々の子どもの学力を担当教員がつぶさにつかめるようにする。
 Bどの子にも目が行き届く30人学級の実施
 ……など、抑圧とストレスから子どもと教師、学校を少しでも解き放つことが、解決に向かう第一歩になるはずです。



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