堤防の耐震化こそ急務


 隅田川沿いに移転する浅草病院の敷地部分を「スーパー堤防」として整備する方針が出されています。
 スーパー堤防は一昨年の事業仕分けで無駄な大型公共事業として「廃止」とされましたが、国交省が復活させようと躍起になっています。
 事業が始まってから四半世紀たっても進捗率5.8%の進捗率で「完成まで400年かかる」と国会でも批判の声があがっています。
 東京都は隅田川全域をスーパー堤防整備として位置付けていますが、実現はわずかな距離に過ぎません。今回のケースを広告塔にする狙いのようです。
 都市部ではマンション建設など、後背地の再開発事業とセットですすめられており、江戸川では強引な住民追い出しに裁判が起きています。
 昨年夏、北区北赤羽で豪雨の際、後背地に水害が起き住民に被害が出ました。スーパー堤防はコンクリートで強固に固められるため、後背地に逆に雨水を集中させてしまったためでした。都市部に絞って整備をすすめるのでは危険な場合もあります。
 遅れている堤防の耐震化こそ急ぐべきです。今回すすめるとしても、下水対策など周辺環境を万全にさせることが大事です。

写真手前が隅田川、右手が橋場側(現土木事務所)、左手が今戸側(観光バス駐車場)。ここに浅草病院が移転、スーパー堤防化する計画です。

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