区長は自らの憲法順守義務をどう考えているのか。

 (あきま)
 日本共産党を代表し、区長と教育長に対し、憲法と区政のあり方について質問します。
 改憲を旗印にした安倍内閣が誕生しました。自民党の改憲案は、憲法の侵略戦争への反省と不戦平和の誓い、貧困からの解放という、戦後国際社会に復帰した二つの公約を破棄します。
 区長は憲法を順守する義務をどう認識していますか。区民の健康と安全、福祉の保持を最大の仕事とする台東区長として、この改憲の動きに反対すべきではありませんか。


(吉住区長)
 自治体の長として、憲法を順守するのは当然と考えています。改憲については広く国民の総意に基づき進められるべきです。国会の動向を注視していきます。

憲法九条を守れ。大空襲資料展の常設展示場を。


(あきま)
 区長の憲法認識を、平和・生存権・地方自治の三つの分野で質問します。
 まず、平和です。
 安倍首相は、戦力を持たぬと定めた憲法九条を書き替えて「集団的自衛権」を可能にしようとしています。日本は九条が海外での武力行使の歯止めになり、どの国の人も殺したり殺されたりしない、輝かしい平和の歴史を刻んできました。憲法九条は平和の宝です。
 東京大空襲から68年目の3月10日を迎えます。区長もあの夜の記憶をいまでも生々しく思い出す、と話されていました。
 一夜にして1万人の区民が犠牲になった台東区の区長として、憲法九条は変えるべきではない、と思いませんか。お答えください。
 大空襲の夜、焼夷弾の中を、焦げた丸太のような死体を踏み越えて生き残った、大空襲の語り部の区民が毎年亡くなっています。私たち区民が、子や孫の時代まで大空襲の悲惨さと平和の大切さを伝えるためには、いつでも資料に触れ、語り部の話が聞ける常設展示場が必要です。つくるべきではないでしょうか。平和都市宣言をした区にふさわしく、平和事業を拡充すべきではありませんか。

(区長)
 九条を含め改憲は国会で広く議論されると考えます。
 大空襲の常設資料展示場は現在考えていませんが、平和の大切さ、戦争のない社会を次世代に引き継ぐことは私たちの責務です。平和への取り組みの充実を図っていきます。

生活保護基準の引下げ許すな。子育て家庭への対策を。

(あきま)
次は生存権です。
 日本のセーフティーネットが穴だらけであることが明らかになる中で、安倍政権は、最後の生活保護まで削減しようとしています。
 不正受給はもちろんたださなければなりません。しかし、国も区も全体の0.3〜0.4%とする不正受給者を、さも多くがそうであるかのように描き上げ、国民の最後の生存権保障である生活保護制度を切り崩すことは許せません。
 保護基準は最低賃金や基礎年金、課税最低限の算定基礎ですから、国民生活全体に及ぶ切り下げにつながり、デフレを進めます。台東区は生活保護受給者が多い区です。地域経済にも大きな打撃を与えることは必至です。
 すぐに連動するのが就学援助金です。小学校で4人に1人、中学校で3人に1人が、この制度で修学旅行や給食費の支払いを助けられています。
 区長。生活保護基準の引下げは、教育や地域経済を含め、台東区にどう影響すると認識していますか。削減に反対すべきではありませんか。とくに削減率の高い子育て世帯への援助や、就学援助金の拡充を行うつもりはありませんか。

(区長)
 保護基準の見直しは、近年の物価下落分の勘案など、扶助の適正化を図っていると認識しています。
 しかし、基準額が下がると、家計支出への余波や保護を受けられなくなる世帯が出ます。区は家計支出に計画性を持ち生活の維持向上が図れるよう周知するとともに、就労支援など自立に向けた支援を強化します。
 ひとり親家庭については、保護とならなかった場合の医療費助成制度や自立支援プログラム事業による就労支援など、対応していきます。
 国は新たな生活困窮者支援制度を検討しており、今後注視していきます。


国保の資格証発行やめよ。窓口負担の重さによる受診抑制の実態つかみ対応せよ。

(あきま)
 生存権の二つ目は、国保・国民健康保険です。
 国保は、国庫補助が大幅に減らされ、高すぎる保険料と窓口負担で運営の危機に直面しています。昨年の国保運営協議会では、医師会代表が窓口負担の重さで重篤化した患者の生々しい報告をしています。
 窓口で10割負担の資格証では、病状が悪化し、病院にかかった時点では手遅れになる人が増えています。
 国保法第一条は、事業目的を社会保障への寄与、と定めており、医療の最後のセーフティーネットです。ところが介護保険、後期高齢者医療同様、国保も共助・相互扶助制度のように歪められ、憲法の生存権・社会権としての国保事業が変質しています。
 区長。区民の3人に1人以上が国保加入者です。資格証の発行は一切やめるべきです。新たな5年間の健康たいとう21推進計画を実効あるものにするためにも、医療費負担の重さによる受診抑制の実態をつかみ対策を講じるべきではありませんか。

(区長)
 資格証は運営上定められたものです。生活困窮などの事情についてはきめ細やかに対応し、発行を減らすよう努めていきます。
 医療費負担が困難な方は、個々の事情を丁寧にお聞きし、必要な医療が受けられるよう、現行制度の中で対応していきます。


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