橋下「慰安婦必要」論は「戦争肯定」論とセット

 橋下大阪市長・日本維新の会共同代表は、「慰安婦は必要」と言った主語は自分ではなく当時の社会だ、戦時中ならどこでもあったことだったのだ、と重ねて弁明しつづけ謝罪しようとしない。
 しかし彼は、沖縄米兵に風俗活用を勧奨した。日本の戦争は侵略戦争ではなかったとの持論をいまでも崩さない。つまり、現代でも戦争遂行のためには、女性が性奴隷になることは必要、と考えている。橋下氏の「慰安婦必要」論と「戦争肯定」論は一対のものである。
 国会で橋下発言をきっぱり否定できない安倍首相も同じ思想の政治家だ。都議選。参院選で審判を下す以外ない。


日本国憲法は「慰安婦」制度を許さない〜改憲派は性奴隷を肯定


 タイムリーとはまさにこのこと。子どもと教科書台東ネット21が5月16日、元参議院議員の吉川春子さん(日本共産党)をまねいた勉強会だ。「日本国憲法と日本軍『慰安婦』」がテーマ。
 吉川さんは議員時代とりあげた「慰安婦問題解決」議員立法運動、「慰安婦」の生の声を折りこんで講演した=写真。
 吉川さんは議員を辞した後、立教大学で女性史とジェンダー、日本軍「慰安婦」についての研究を、議員時代の経験を生かし始めたそうだ。
 昨年3月、韓国の「ナムルの家」での「自分が連れ去られた日、1942年7月29日を絶対に忘れられない」証言はじめ、日本軍「慰安婦」は、誘拐やだまされたり、「処女供出」ともののように扱われたことを身に染みて知った。
 韓国はじめ中国、フィリピン、インドネシア、ミクロネシア、そして沖縄にも「慰安所」が設置された。その数1000か所、国連では20万人と推計している。
 橋下氏はどこの国でもあったという。ナチもアウシュビッツはじめ各収容所に女性を派遣した。しかし日本軍のそれは人数、規模、悲惨さにおいて「20世紀最大の人身売買」(米下院2007年決議、EU議会も同年非難決議)だったことは国際社会の常識だ。
 日本国憲法は戦後国際社会に復帰する公約。九条で女性の性が蹂躙される戦争を永久に放棄し、13条で個人として尊重され生命、自由、幸福追求権を尊重され、14条「法の下に平等で人種・性別等による差別禁止、18条「苦役の禁止」…など、明確に「慰安婦」制度を許さない。
 安倍首相や橋下大阪市長の発言、改憲の動きは、これに逆行するもので、憲法を守ることこそ近隣諸国から信頼される唯一の道だ、と力説した。

 吉川さんの話で私はあらためて、この問題の深さ、現代性と重要性を痛感した。



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