学校に隣接し高さ15m以上の中高層建築物を建てる建築主は、現行より30日早く学校・近隣に知らせ、説明会を開くこと…台東区は来年4月から規制を一部強めます。浅草小学校に隣接するワンルームマンション問題が、小学校や中学校のPTAはじめ区民に広がっていることを受けたものです。
 「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」(紛争予防条例)は建築確認申請等を行う15〜60日(高さ等で違う)前に標識設置を義務付けています。今回は条例のもと新たに要綱をつくります。
 内容は、敷地境界線から15mの範囲内に学校等(小・中学校、幼稚園、保育所等)がある、または計画敷地の境界線から建築物の高さに相当する水平距離(1H)で冬至日に日影が学校等に及ぶ、計画が対象です。現行条例が定めた標識設置日より30日早く(確認申請を行う日の45日〜90日前)掲示されることが建築主に義務付けられます。
 しかし、区議会に出されたPTA連合会からの陳情や、浅草小学校の近隣住民が求めているのは、あくまでも子どものプライバシーや安全を含む教育環境を守る条例改正です。今回はワンルームマンション建設への規制は全く強化されていません。説明期間をある程度設ければ、これまでと同様にどんどん建築がすすんでしまいます。
 条例ではなく、行政だけで決められる要綱にとどまっていることも問題です。
 ワンルームマンション建設が区内各地で問題になっています。まちづくり、教育、商店街…なによりコミュニティーの観点からも、条例で規制を強めることは緊急の課題です。


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