吉住弘台東区長が1月7日にご逝去されました。心からおくやみを申し上げます。

 いろいろな思い出がよみがえります。

 私は、吉住区長が誕生した2003年の区長選で、共産党推薦の候補者としてたたかい、敗れました。私のこの時の目玉公約が「小学校一年生の医療費を無料にします」でした。就学前児童の医療費無料をそれ以上にも拡大を、という日本共産党の政策と全国的な運動が背景にありました。
 しかも、区長と議長の公用車を廃止すれば小学1年生までならできるという明確な財源がありました。
 吉住区長は2期目、23区に先駆けて一気に中学3年生までの無料化を実現しました。当時区議になりたてだった私はそれだけに感慨深く区長の決断をたたえました。

 一方、私は議会ではかなり区長に辛辣な質問をしてきました。私は吉住区長の政治姿勢や区政運営には、いまでも批判的な立場です。しかし、一人間・吉住弘氏は嫌いではありません。共産党に対して、決して共産党だからと言って、理由なく反共的な態度はとらない政治家でした。

 その点で記憶に残っているのは、私が議員一年目でのぞんだ予算総括質疑での再質問でした。
 どの党、どの会派も再質問はしません。やるのは共産党だけですから、理事者に緊張感が走ります。区長に、シナリオがない、アドリブ答弁をさせまい、と部課長が答弁するのが通常化していましたが、吉住区長が自ら立って答えたのです。しかも、答弁席に向かおうとしていた部課長を抑えて、です。
違例でした。数日後、区長に聞くと、あれは私がこたえるべき質問だったからだ、と言ったことを思い出します。

 吉住弘さん。安らかにお眠りください。




▲戻る