体力ある財政を区民福祉へ
3つの保険料値上げは重大

日本共産党区議団長 秋間洋
 台東区は6日、平成30年度予算案を示しました。
 区が示した来年度予算は一般会計で史上最高額を更新し、初めて1千億円台に乗りました。そのことが話題になっていますが、区民生活の現在と未来を支えるためには、この規模は突出しているわけではありません。
 蔵前小改築や黒門小大規模改修、今後の母子保健施策の拠点となる浅草保健センター建設などの投資的経費、増大する行政需要を支える人件費が増えたことが要因ですが、どちらも区政を前進させるには必要な予算だと考えます。
 区長は9日の所信表明で「中小企業の経営環境は依然として厳しい」「区民は景気回復が実感できるほど消費が回復していない」と発言しました。
 台東区には前年度末で440億円の貯金があります。来年度予算は、今年度の最終補正と合わせて見れば、基金が有効に活用されているとは到底言えず、苦境が続く区民のくらし・福祉をあたためるさらに積極的な予算にすべきです。
 許せないのは、区民生活の厳しさを認識しながら、国民健康保険・介護保険・後期高齢医療保険の三つの保険料をすべて値上げすることです。
国民健康保険料は保険料率が未決定ですが、相当な値上げになることは必至です。介護保険料は基準月額が5650円から6140円と490円値上げ、後期高齢保険料も値上げで、区民のくらしに打撃を与えます。これらは認められません。

みなさんと一緒に実現した願い いくつも
 一方、区民が切実に願ってきた施策が予算化されたことは評価できます。いじめ・不登校などの対策としてスクールソーシャルワーカーの増員、認知症または疑いのある家庭への専門家アウトリーチチームの設置、近隣型商店街へのアドバイザー派遣など、実効ある事業になるようわが党としても全力で協力したいと思います。
 区民のみなさんとわが党区議団が実現をめざしてきた施策も前進しました。医療的ケアを必要とする障害者へのレスパイト事業、介護従事者への資格取得支援、就学援助金の入学支度金の前払い支給、町会が設置する防犯カメラの電気代助成などです。区民の8割が共同住宅居住者になった今、予算化されたマンション実態調査が、住み続けられる街づくりのために寄与することを期待します。
 区長が「江戸の魅力の継承と未来への発信」を発表し、「本区のアイデンティティー」「江戸ブランド」などを発信し始めたのには率直に唐突感があり、ここに過剰な予算を充てることには疑問があります。チェックしていきます。



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