*区長の答弁とやりとりは、後日補足します!

区長「区民の日々のくらし守る」と言いながら、生活を温める予算なし

共産党の秋間です。
東日本大震災で、がたんと落ちた台東区の地域経済は浮上せず、さらに厳しくなっています。消費税が増税されれば、辛抱して営業を続けている区内中小・零細企業はどんどん倒れ、雇用も区民生活も、底がぬけてしまいます。
野田政権は、税金の無駄遣いを続けながら、そして年金・医療・子育て保育を壊しながら、消費税増税を強行しようとしています。くらしと経済を壊す暴挙は、財政再建も遠くに追いやってしまうでしょう。
消費税増税は、どんなことがあっても阻止しなければなりません。
ところが区長、あなたは、わが党代表質問に、「社会保障の機能強化と財源確保のための消費税率の引き上げが柱で議論されており、動向を注視する」と、事実上、増税を容認しました。
これでは区民を守れません。
予算編成にあたっての区長の基本姿勢について質問します。

 まず、区長の「財政危機論」についてです。
各会派による代表質問・一般質問で、あたかも基金残高が起債残高を下回ったら大変なことになる、と言わんばかりのやりとりが、区長との間で繰り広げられました。大変な違和感を覚えました。
この20年を振り返って、基金の残高が起債の残高を下回った年は何年ありましたか。基金と起債の残高が逆転したら、区財政はどうなるのですか。お答えください。
 
予算では、新たに14億円借り入れをしますが、42億円返済します。負債は28億円減ります。貯金は61億円おろしますが、使い道は、区民サービスを支える庁舎改修と基幹系業務ネットワーク、公園、保育園・児童館の改修です。企業の貸借対照表なら流動資産が固定資産に形が変わったということです。区民財産を増やす支出です。
しかも、確定はしていませんが今年度から最低10億円以上の繰り越しはできるでしょう。赤字になったわけではありません。
基金と起債の残高が逆転したとしても、財政が危機に陥るわけでもありません。赤字を長く続け早期健全化基準以上になった夕張など51自治体とは全く違います。もちろん財政が窮屈になっており、健全な運営に留意すべきなのは当然です。しかし、ことさら危機をあおるのは何か意図があるとしか考えられません。

 区長は「歳出の抑制は従来の手法では十分でなく、思い切った取り組みも必要」と発言しました。思い切った取り組みとは何ですか。お答えください。飯村元区長の「財政健全推進計画」のような方針を打ち出すつもりなのでしょうか。それとも職員の給料を国のようにばっさり削ろうというのでしょうか。
「入るを量って出ずるを制す」という言葉があります。しかし、歳出の抑制で、区民のくらし・中小企業の営業は、そして区財政と区政はよくなっていくのでしょうか。見解をお示しください。

財政健全推進計画、それを引き継ぎ区長が進めてきた行政経営推進プランのここ12年、区民のくらしを支援してきた施策は次から次へと廃止・縮小されました。長寿祝い品、無料入浴券などお年寄りを大事にする施策を廃止し、学校用務や給食調理の民間委託で子どもの成長や安全を軽んじてきました。その事業数はこの12年で626、40億円を超しました。職員は一度もベースアップはありませんでした。
「出ずるを制す」このやり方で、区民のくらしが明るくなり、「入るを量る」につながりましたか。
まったく逆です。家にこもるお年寄りが増え、中小企業や商店街は活気をなくし、区の職員は希望を奪われ、区の税収も落ちてきたではありませんか。

来年度予算案の中身にうつります。
区長は所信で「区民の日々の生活を守る」と表明しましたが、その意思はこの予算のどこに生きていますか。答弁を求めます。

 日々のくらしを温める具体策がありません。
それどころか、国民健康保険料、介護保険料と後期高齢者医療保険料すべてを、大幅に引き上げる予算です。将来を見据えた施策に重点配分といいますが、区民の日々の生活をさらに火の車にしておいて、未来はありません。
 
未来をさらに暗くする問題は子育て層への対策です。昨年、今年と、年少扶養控除の廃止、特定扶養控除の縮小などの増税が、子育て世帯を直撃しています。今年度の住民税増税は子ども一人ごとに33000円の増税です。しかも国民健康保険料が扶養家族がいる世帯ほど保負担が増える計算方法になったため、トリプルパンチです。
区長、この予算案では、負担増の子育て層について、どこかに支援策が講じられていますか。おこたえください。

 保育料を値下げした、というのならわかります。増税の影響が出ないようにしたのは当然ですが、なんと消極的なのでしょうか。子育て層の負担増への軽減策は講じなかった、というのが真実です。
 妻と子ども二人を扶養している年収500万円の国保世帯でなんと253,974円もこの2年で負担が増えるのです。
 先週初めに、区の認可保育所の4月入園が決定しました。保育指数が満点の40でも入園できない子どもが出る、保育に欠ける子どもがいても保育できない、異常事態になりました。
 すぐに解決しなければなりません。
子育て家庭の苦境に心を寄せ、速やかな対策を講じないのであれば「子育てするなら台東区」の看板はすぐにおろすべきです。

  最後に、区政のあり方についてです。
区長は新年賀詞交歓会で、東日本大震災は地方自治体の役割を改めて問うものになった、と述べました。大震災が自治体に問うたものは何だとお考えでしょうか。所見をうかがいます。

大震災が教えたのは、人と人との絆の大事さ、それを育む地域コミュニティーの大切さです。そして自治体の重要な仕事はその絆を育てることではないでしょうか。
憲法と地方自治法が定めた「住民の健康と安全、福祉の保持」。ここれこそ、ゆるがせにしてはならない台東区の任務です。
区民のくらしは温かくなったか。
地域の絆、区民同士の絆は強まったか。
絆を育む区の職員は元気で仕事をしているか。
これらが、来年度予算案を審議する、わが党区議団の視点です。そして区長が、消費税増税と社会保障の改悪、TPP参加や原発再稼働・推進など、区民を脅かす国に対し、区民の立場に立ってしっかり立ち向かう姿勢にたつことを求め、審議にのぞむことを申し上げ、質問を終わります。


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