私は9月25日、第三回定例会の一般質問で、地域経済の活性化、こころの健康、老朽家屋、3つの問題で質問しました。

消費税増税の影響を予測できぬ区長

 私は「区内の中小企業が浅草・東京上野両税務署に収めている消費税額は、区の一般会計予算900億円に匹敵。これが10%になれば、販売価格に消費税を上乗せできない4000事業所が倒産・廃業に追い込まれ、区内で1万数千人の失業者が生まれる」と、商工会議所と国税当局の資料をもとに指摘し、吉住区長に対し、増税が区内中小企業と地域経済区税収に与える影響ついてどう考えているのか」と質問しました。
 これに対し区長は「消費税の引き上げは社会保障の充実のために実施されるもの。影響は経済的要因が複雑に関係するので予測は困難」と答えました。
 社会保障「改革」は国民会議の議論に先送りし、消費税増税だけを民自公の談合で強行した野田政権を、吉住区長は擁護しました。今でも赤字で消費税が納税できない中小企業の実態を全く心に止めない姿勢は、中小企業の街の首長として失格です。

中小企業とものづくり支援で地域活性化を

 次に私は、中小企業が街づくりに果たしている役割を重視し、積極的な支援策を、と二つの提案を行いました。
 第一は区民施策にかかわるすべての仕事で、区内中小企業への発注を増やす問題です。福祉・介護、防災、環境など、区民が区の制度を使って生まれる仕事が、区内の中小企業に十分回っていないことを指摘し、バリアフリー改修、耐震補強工事、高齢者住宅改修、太陽光パネル、屋上緑化など、それぞれの事業ごとに、目標を決めとりくむよう求めました。
 区長は、価格面、技術面での課題があるので慎重に検討する、と積極的ではありませんでした。
 第二は、「アトリエ店舗やものづくり工房が地域にたくさん出店できるよう、制度の改善を」と求めました。区長は「支援事業の助成金は改善し、適切な予算額を確保したい」と前向きな姿勢を示しました。


こころの健康対策をすすめよ

 次に私は「こころの健康」対策をとりあげました。
 その動機について、いじめを苦にした子どもの自殺が相次ぎ、今夏の生活困窮者の相談の多くが、統合失調症やうつ障害だった…と触れ、8点質問しました。以下質問と答弁の要旨です。
 @高い自殺率にメスを入れ本格的な対策をを…区長「相談体制を強化する」。
 A精神疾患の正しい理解の普及を…区長「区ホームページを充実する」。
 Bこどもの「こころの相談室」拡充を…教育長「迅速・柔軟に対応し、相談待ちを出さぬようにする」。
 C保健所の常勤保健師の増員を…区長「全庁的な保健師の配置状況を勘案し運営体制を確保していく」。
 D区独自のアウトリーチ(訪問支援)設置を…区長「都のアウトリーチ支援事業と連携し支援を実施していく」。
 E路上生活者の精神疾患対策に保健所が乗り出せ…区長「課題として認識しており、都区共同の巡回相談などで対応を協議」。
 G精神障害者の相談事業を担うNPОの安定的運営支援を…区長「適切な支援のため事業者との連携を一層強化していく」。

老朽家屋対策を次代のまちづくりにつなげよう

 最後に私は、防災・防犯上危険な老朽家屋の適正な管理や解体・撤去について、条例化、次代のまちづくりの問題として質問しました。
 区長は、老朽空き家対策は「庁内PTで検討しており、実態調査し、条例制定も含め実効ある方策を早期に実施する」と答弁しました。
 私は「先行して条例をつくった自治体は管理、解体・撤去で終わり。老朽家屋や空き家を『お荷物』ではなく、未来のまちづくりの財産として、活用につなげるべき」と、高齢者や障害者の低家賃住宅、ものづくりクリエイターの店舗兼住宅、(「ものづくり長屋」や「アトリエ横丁」など)に活用することを提案しました。
 資金は、新たな助成制度の整備と、分譲マンションの修繕積立金を融資として地域に還流させることでつくれないか。それはマンション住民の地域コミュニティーへの参加意識を高めることになる、と、大胆でユニークな制度を提案しました。
 区長は、地域の実態調査を行ったうえで空き家分布状況や建物の安全性などを参考にしながら研究する、と答えました。


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